白米は玄米を精米したものです。 もっと詳しくいうと、玄米から糠(ぬか)と胚芽(はいが)を取り除き、胚乳(はいにゅう)のみにしたお米が白米になります。
なぜ精米するかというとごはんがおいしくなるからです。果物が皮と種を取り除いたほうがおいしくなるのと同じ理由です。
玄米、三分つき米、五分つき米、七分つき米、胚芽米、白米の順に精白度合いが大きくなります。
しかし、精白がすすむにつれてビタミンやミネラル、食物繊維などの体に良い成分が失われてしまいます。お米を玄米のまま食べれば、栄養バランスの優れた健康的な食事ができるのです。
以下、店主が愛読している書籍「健康革命 逆転の医学―こうすれば、病気はきっと治る!」(石原結實著/文化創作出版)の玄米と白米の違いを書いてあるページを引用させていただきます。
白米は玄米から胚芽を取り除いたものであり、文字通り粕(カス)である。表に示すように食品成分上でもかなりの差がある。
「白米に足りない栄養素を、他の野菜や豆や肉で補えば、それでよいではないか」という栄養学者の意見もあるが、そうはいかない。 玄米は播けば芽が出るが、白米は腐る。つまり玄米には生命が宿っている。「生命」とは科学も人知も及ばない最高のバランスであり、栄養素の構成上も同じである。
体内にビタミンB1が少量不足すると脚気になるし、Cが不足すると壊血病になる。ことほど左様に、わずかな栄養素の不足が重篤な病気をおこすのであるから、「生命」のある食物とない食物の差は、分析的な栄養素の問題上計り知れないものがある。
もぎたてのリンゴがおいしいのも、活づくりの刺身が旨いのも、とりたての野菜の味がよいのも、すべて「生命」があるからだ。
生命が失せると活性酸素が発生して、過酸化脂質などの有害物質を作り身体に有害だ……云々、というのも一理あるが、それだけでは済まされない。地球上のあらゆる動物が、食べる物の生命をいただいて、自分の生命の灯を燃やしている。死物を食べる動物はほとんどいない。生命のない精白穀物(白米、白パン)、殺菌牛乳、無精卵、肉(動物の筋肉の一部)……化学調味料、化学薬品……など、「生命のないもの」を口にする人間に、これだけの病気が発生するのも、むべなるかな……である。
完全が「生命」なら、不完全は「不健康、病気」であるから。
栄養素 | 玄米 | 白米 | 効用 | |
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タンパク質 | 7.4g | 5.7g | 植物性タンパク質であるから、人体の消化生理には最も適したタンパクである。 | |
脂質 | 2.3g | 0.8g | 植物性脂肪(不飽和脂肪酸を多く含む)。不飽和脂肪酸は、血中のコレステロールの低下作用がある。 | |
糖質 | 72.5g | 75.5g | 玄米食の場合、繊維とともに消化されるので急速な血糖値上昇を抑える。そのため、糖尿病の予防にもなる。腹もちもよくなるため過食の害を防げる。 | |
繊維 (セルロース) |
1.0g | 0.3g | 腸壁を適度に刺激し便通をよくする。腸ガンの予防にもなる。コレステロールの多い食品を摂りすぎても、腸でのコレステロール吸収を阻止し、弁として体外へ排出してしまう。 | |
ミ ネ ラ ル |
カルシウム | 10mg | 6mg | 歯骨の形成。血液をアルカリ性に保つ。神経の興奮を鎮める。血液が固まるときに必要。 |
ナトリウム | 3mg | 2mg | 細胞外液(血液など)に多く存在し、体液浸透圧との調節に重要な役割をする。 | |
リン | 300mg | 150mg | 骨や歯の成分、PHの調節、ブドウ糖の消化管の吸収を助ける。糖分の燃焼の際の助酵素として働く。 | |
鉄 | 2mg | 1mg | ヘモグロビン(赤血球内の血色素)の構成成分として、酵素運搬に重要な働きをする。体の全組織内に存在し、細胞の吸収作用に関与。 | |
ビ タ ミ ン |
B1 | 0.36mg | 0.09mg | 糖が燃焼してエネルギーを出す過程に必須。不足すると疲れ、食欲不振、神経炎、心臓の肥大の脚気がおこる。 |
B2 | 0.1mg | 0.03mg | 成長促進作用、。不足すると口角炎、舌炎。 | |
B6 | 620 | 62 | タンパク・脂肪の代謝に必要。不足で口内炎、神経炎。 | |
K | + | - | 血液凝固物質(プロトロンビン)の合成に関与。 | |
L | + | - | 母乳の分泌を促進。 | |
E | + | - | 不妊・流産の予防、妊娠の継続、若返り、老化防止。 | |
ニコチン酸 | 4.1mg | 1.4mg | 不足すると、皮膚炎(ペラグラ)、消化障害、神経障害。 | |
パントテン酸 | 1.5mg | 0.75mg | TCAサイクルに関与、腸内細菌の働きを正常に保つ。 | |
ビオチン | 12 | 6 | 生の卵白と結合するので、卵白の多量摂取で欠乏症に(皮膚炎・貧血) | |
葉酸 | 20 | 3 | 不足すると悪性貧血になる。とくに妊娠中は不足しやすい。 | |
イノシトール |
111.4 |
11.0 | (イノシトール)+(リン酸)→(フェチン酸) | |
コリン | 20 | 3 | 欠乏すると脂肪肝になり、肝臓の働きが弱る。 | |
フェチン酸 | 240 | 41 | 胚芽に多く含まれる水銀などの農薬や、地球上に多量に存在するストロンチウム90(小児白血病の原因の一つになる)を体外に排出する作用。 |